4. 演算子と式

このセクションでは、JavaScript における演算子と式について学びます。演算子は、データを操作したり、計算を実行したりするための記号です。式は、その演算子を使用して値を生成する部分です。まず、基本的な演算子から説明し、実践的な例を通じて理解を深めていきましょう。

4.1 基本的な演算子

4.1.1 算術演算子

算術演算子は、数値の計算を行うための演算子です。代表的な算術演算子には、以下のものがあります。

+: 加算
-: 減算
*: 乗算
/: 除算
%: 剰余（余り）

コード例：

let a = 10;
let b = 3;

console.log(a + b); // 出力: 13
console.log(a - b); // 出力: 7
console.log(a * b); // 出力: 30
console.log(a / b); // 出力: 3.3333333333333335
console.log(a % b); // 出力: 1

4.1.2 比較演算子

比較演算子は、2 つの値を比較するための演算子です。代表的な比較演算子には、以下のものがあります。

==: 等しいかどうか（型の違いを無視）
===: 厳密に等しいかどうか（型も含めて一致）
!=: 等しくないかどうか（型の違いを無視）
!==: 厳密に等しくないかどうか（型も含めて一致しない）
>: より大きいかどうか
<: より小さいかどうか
>=: より大きいかまたは等しいかどうか
<=: より小さいかまたは等しいかどうか

コード例：

let x = 5;
let y = "5";

console.log(x == y); // 出力: true
console.log(x === y); // 出力: false
console.log(x != y); // 出力: false
console.log(x !== y); // 出力: true
console.log(x > 4); // 出力: true
console.log(x < 6); // 出力: true
console.log(x >= 5); // 出力: true
console.log(x <= 4); // 出力: false

4.1.3 論理演算子

論理演算子は、ブール値の計算を行うための演算子です。代表的な論理演算子には、以下のものがあります。

&&: 論理積（AND）
||: 論理和（OR）
!: 否定（NOT）

コード例：

let a = true;
let b = false;

console.log(a && b); // 出力: false
console.log(a || b); // 出力: true
console.log(!a); // 出力: false
console.log(!b); // 出力: true

4.1.4 代入演算子

代入演算子は、変数に値を代入するための演算子です。代表的な代入演算子には、以下のものがあります。

=: 等号演算子（単純代入）
+=: 加算代入
-=: 減算代入
*=: 乗算代入
/=: 除算代入
%=: 剰余代入

コード例：

let num = 10;

num += 5; // num = num + 5 と同じ意味
console.log(num); // 出力: 15

num -= 3; // num = num - 3 と同じ意味
console.log(num); // 出力: 12

num *= 2; // num = num * 2 と同じ意味
console.log(num); // 出力: 24

num /= 4; // num = num / 4 と同じ意味
console.log(num); // 出力: 6

num %= 5; // num = num % 5 と同じ意味
console.log(num); // 出力: 1

4.2 式とその評価

式は、値を生成するコードの基本単位です。演算子を用いて式を構成する例を見ていきましょう。

4.2.1 単純な式

単純な式は、単一の演算子とオペランドで構成されます。

コード例：

let result;

result = 5 + 3;
console.log(result); // 出力: 8

result = 10 - 4;
console.log(result); // 出力: 6

result = 7 * 2;
console.log(result); // 出力: 14

result = 20 / 4;
console.log(result); // 出力: 5

4.2.2 複合式

複合式は、複数の演算子とオペランドで構成されます。演算の優先順位にも注意が必要です。

コード例：

let result;

result = (5 + 3) * 2;
console.log(result); // 出力: 16

result = 10 - 4 / 2;
console.log(result); // 出力: 8

result = 7 * 2 + 10 / 2;
console.log(result); // 出力: 19

result = 20 / (4 + 1);
console.log(result); // 出力: 4

4.2.3 演算の優先順位

JavaScript では、演算子には優先順位があります。例えば、算術演算子では * や / は + や - よりも高い優先順位を持ちます。

コード例：

let result;

// 乗算が先に評価される
result = 5 + 3 * 2;
console.log(result); // 出力: 11

// カッコで優先順位を変更
result = (5 + 3) * 2;
console.log(result); // 出力: 16

ここでは、演算子と式の基本について学びました。次に、これらの基礎を実際のプログラムに応用してみましょう。演算子と式は、プログラミングの基本であり、これをしっかり理解することが重要です。