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12. HTML の検証とデバッグ

HTML を作成する際には、コードが正しく動作することを確認するために検証デバッグが必要です。この章では、HTML の検証とデバッグの基本手法について学びます。

12.1 検証の重要性

12.1.1 なぜ検証するのか

HTML の検証は、コードが標準に準拠しているかどうかをチェックするプロセスです。検証することで、以下のようなメリットがあります。

  • ブラウザ互換性の確保:異なるブラウザでの表示が安定します。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上:不適切な HTML が原因で発生するユーザー側の問題を減少させます。
  • SEO の向上:検索エンジンが正確にコンテンツを解釈しやすくなります。

12.2 検証ツールの使い方

12.2.1 W3C Markup Validation Service

W3C の公式検証ツールを使うことで、HTML コードの構文エラーを簡単にチェックできます。以下の手順で使用します。

  1. W3C Markup Validation Serviceにアクセスします。
  2. チェックしたい HTML ファイルの URL を入力するか、テキストボックスに HTML コードを直接貼り付けます。
  3. Check ボタンをクリックします。

検証結果の例

<!DOCTYPE html>
<html>
  <head>
    <title>テストページ</title>
  </head>
  <body>
    <h1>こんにちは、世界!</h1>
    <p>これはテストページです。</p>
  </body>
</html>

このコードを W3C の検証ツールにかけると、エラーがなければ「Document checking completed. No errors or warnings to show.」と表示されます。エラーがある場合は、エラーの詳細が一覧表示されます。

12.2.2 ブラウザの開発者ツールを使った検証

ほとんどのモダンブラウザには開発者ツールが組み込まれています。

  • Google Chrome: F12キーを押すか、メニューの「その他のツール」から「デベロッパーツール」を選択します。
  • Firefox: Ctrl + Shift + Iキーを押すか、メニューから「Web 開発」→「切り替えツール」を選択します。

検証ツールを使うことで、DOM の構造をリアルタイムでチェックしたり、スタイルやスクリプトのエラーを確認できます。

12.3 デバッグの基本

12.3.1 デバッグのステップ

デバッグとは、エラーや問題点を見つけて修正するプロセスです。効果的なデバッグのステップは以下の通りです。

  1. 問題の特定:予期しない動作やエラーメッセージを確認します。
  2. 再現手順の作成:問題が再現する条件を明確にします。
  3. 原因の特定:どの部分のコードが問題を引き起こしているかを特定します。
  4. 修正と再検証:問題を修正し、再度検証します。

12.3.2 実際のデバッグ例

以下に、典型的な HTML エラーのデバッグ例を示します。

例:閉じタグの欠如

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <title>テストページ</title>
</head>
<body>
    <h1>こんにちは、世界!
    <p>これはテストページです。
</body>
</html>

この HTML コードには二つのエラーがあります:<h1>タグと <p>タグが閉じられていません。

修正例

<!DOCTYPE html>
<html>
  <head>
    <title>テストページ</title>
  </head>
  <body>
    <h1>こんにちは、世界!</h1>
    <p>これはテストページです。</p>
  </body>
</html>

問題を特定し、必要な修正を施すことで、ページが正しく表示されるようになります。

12.4 ベストプラクティス

12.4.1 コメントの活用

コード内にコメントを残すことで、後から見直した際に理解しやすくなります。

<!-- これはページのタイトル -->
<title>テストページ</title>

12.4.2 バージョン管理の使用

Git などのバージョン管理ツールを使うことで、変更履歴を追跡・管理できます。

git init
git add index.html
git commit -m "初回コミット"

12.5 練習問題

12.5.1 練習問題 1

以下の HTML コードを修正し、W3C の検証ツールでエラーが出ないようにしてください。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <title>サンプルページ</title>
<body>
    <h1>間違ったHTMLコード</h1>
    <p>いくつかのエラーがあります。</p>
</body>
</html>

12.5.2 練習問題 2

ブラウザの開発者ツールを使って、任意のウェブページの HTML 構造を確認し、その中で見つけたエラーを報告してください。


これで、「HTML の検証とデバッグ」についての説明は終了です。検証とデバッグは HTML 開発において不可欠なスキルですので、しっかりマスターしておきましょう。