1. CSS の基本概念
CSS (Cascading Style Sheets) は、ウェブページの見た目やレイアウトを指定するためのスタイルシート言語です。HTML が文書の構造を定義するのに対して、CSS はその文書の表示方法を制御します。このセクションでは、CSS の基本概念を学びます。
1.1 CSS とは
CSS は、以下のような要素のスタイリングを可能にします:
- 色の設定
- フォントの指定
- 要素の位置や大きさの指定
- レイアウトの調整
1.1.1 CSS の利点
- セパレーション・オブ・コンサーンズ:HTML と CSS を分離することで、コードの可読性と保守性が向上します。
- 再利用性の向上:同じ CSS ファイルを複数の HTML ファイルで使い回すことができます。
- 効率的なデザイン変更:一つの CSS ファイルを変更することで、関連する全ての HTML ファイルのスタイルが更新されます。
1.2 CSS の適用方法
CSS を HTML に適用する方法は主に 3 つあります:
- インラインスタイル
- 内部スタイルシート
- 外部スタイルシート
1.2.1 インラインスタイル
HTML の要素内に直接スタイルを記述する方法です。
1.2.2 内部スタイルシート
HTML ファイルの<head>
内に<style>
タグを使ってスタイルを記述します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>内部スタイルシートの例</title>
<style>
p {
color: blue;
font-size: 20px;
}
</style>
</head>
<body>
<p>これは青いテキストです。</p>
</body>
</html>
1.2.3 外部スタイルシート
外部 CSS ファイルをリンクする方法です。コードの再利用性が最も高いです。
<!-- HTMLファイル -->
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>外部スタイルシートの例</title>
<link rel="stylesheet" href="styles.css" />
</head>
<body>
<p>これは青いテキストです。</p>
</body>
</html>
1.3 CSS の基本構文
CSS の基本構文は以下のように記述します:
1.3.1 セレクタ
セレクタは、スタイルを適用したい HTML 要素を指定します。セレクタには以下の種類があります:
- 要素セレクタ: HTML 要素名を指定 (
p
,h1
,div
など) - クラスセレクタ: クラス名を指定 (
.classname
) - ID セレクタ: ID 名を指定 (
#idname
)
1.3.2 プロパティと値
プロパティはスタイルの種類を、値はそのスタイルの具体的な内容を指定します。複数のプロパティはセミコロンで区切ります。
1.4 コメント
CSS 内でコメントを追加するには、/* コメント */
を使用します。これにより、コードの可読性が向上します。
1.5 CSS の継承とカスケード
CSS は「継承」と「カスケード」という特性を持ちます。
1.5.1 継承
ある要素のスタイルを、その子要素が引き継ぐことを継承と呼びます。例えば、<body>
に設定したフォントが、全ての子要素にも適用されます。
1.5.2 カスケード
CSS は「カスケード」機能により、複数のスタイルルールが競合した場合に優先順位を決定します。優先順位のルールは以下の通りです:
- インラインスタイル(最も強い)
- ID セレクタ
- クラスセレクタ、属性セレクタ、および擬似クラス
- 要素セレクタ
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>カスケードの例</title>
<style>
p {
color: red;
}
.blue-text {
color: blue;
}
</style>
</head>
<body>
<p class="blue-text" style="color: green;">これは緑のテキストです。</p>
</body>
</html>
この例では、インラインスタイルが一番強いので、テキストは緑色になります。
以上が CSS の基本概念です。次のセクションでは、具体的なセレクタとプロパティについて学びます。実際に手を動かし、CSS の基礎をしっかりと理解しましょう。